大人の休日倶楽部パスを使っての秋田発のリゾートしらかみがまさかの運休!
混乱の現場と予想外の展開、旅の裏側を実体験でお届けします。
旅の始まり──リゾートしらかみに乗るはずだった日
大人の休日倶楽部パスで特別な鉄道旅へ
今回は「大人の休日倶楽部パス」を使って、秋田からリゾートしらかみに乗車する旅を計画しました。
リゾートしらかみは、駅のみどりの窓口でないと予約できないということで、8月30日に大人の休日倶楽部パスを仙台駅の指定席券売機で受け取り、そのままみどりの窓口へ行って9月28日の予約をしようとしたのですが・・・
すでに海側である窓際A席は満席!ついでに仙台から秋田までのこまち1号も満席だったようで、みんな早いんだなあと感心しながら「では9月25日の木曜日はリゾートしらかみA席はあいてますか」と駅員さんに尋ねると、こちらも満席でした。
仕方がないので9月25日の窓際D席を予約し、次にこまち1号の予約をしようとしたら・・・こちら1席だけ空いてますとの返事でした。あわててこまち1号も予約しましたよ。
そんなちょっとだけ苦労して予約することができた憧れのリゾートしらかみだったので、とてもワクワクしながらその日を楽しみに待っていました。
こまち1号からリゾートしらかみへ乗り継ぎ予定
2025年9月25日、仙台発8時5分のこまち1号に乗って秋田に向かい、この日はリゾートしらかみに乗って弘前まで行く予定でした。
秋田に到着するのは10時24分。秋田発10時50分のリゾートしらかみ3号に乗って弘前到着15:50の予定でした。
突然の大雨&秋田駅でまさかの運休アナウンス
仙台は晴れていて暑いくらい。秋田は最近雨模様だけど、この日は何とか天気は持ってくれるという予報でしたが・・・
東能代駅止まりの衝撃
秋田市付近はちょっとだけ雨が降った跡もありましたが、むしろいい天気でした。これならリゾートしらかみも問題なく運行されるだろう、大丈夫と思い、いったん改札を出てトイレ休憩と昼の弁当を仕入れました。
前回のいなほ8号の時は「さきほこれ弁当」の2段弁当を購入。いなほ号の揺れに負けてしまい、食べている途中で弁当をひっくり返してしまったという苦い思い出があります。
今回は、そのリベンジも兼ねて秋田の牛めしを購入。(山形の牛肉ど真ん中は販売していませんでした。)
そして改札を入ろうとすると、改札のところの窓口で人だかりがあり、「何かあったのだろうか?」と不安が横切りましたが、そのまま改札を通ってリゾートしらかみが待っているホームへ行ったところ・・・・
女性の駅員さんが大きな声で、「この列車は東能代駅止まりとなりました!」と叫んでいるではありませんか!!
五能線沿線の大雨による影響とは?
なんと五能線の沿線で大雨となり、東能代駅から先は運休になったのでした。
乗客の皆さんの反応はさまざまで、リゾートしらかみをあきらめる人もいれば、予定通りそのまま乗車する人もいましたので、私もとりあえず乗車し、とにかく東能代まで行く決断をしましたよ。正直どうすればいいのか迷いましたし、それで正解だったのかどうか、まだわかりませんでしたが。
リゾートしらかみ代替手段は?混乱と迷いの中での決断
秋田駅を出発した段階では雨は降っておらず、この先で大雨が降っているなんてとても信じがたい気持ちでした。

バス?普通列車?特急?選択肢を探る
リゾートしらかみの列車に揺られながら、何かいい方法はないだろうかと思案していたところ、私の隣に座っている方が、「東能代駅からバスが出るらしいよ」と教えてくれました。
「でもなあ・・・。」と私は心の中でつぶやきました。確かにバスも手段の一つだけど、そっちで大雨なんだよね。そのバスもどうなるかわかんないなあ」と考えていると、五能線の途中の駅で降りる予定の方はバスにご乗車くださいというアナウンスがあったような。バスは弘前まで行かないようです。
隣の席の方は、五能線沿いにある「ウェスパ椿山駅」まで行って宿泊するらしく、すでに予定を柔軟に切り替えておられました。
また、A席に座っている別の乗客の方は、「十二湖を観光したいのだが」と女性の乗務員さんに一生懸命話していましたが、そっちにバスは回ってくれないだろうし、大雨では観光は難しいだろうなと思いましたよ。
それでは自分はどうすればいいのか・・・
乗務員さんの案内によると、弘前方面へは、東能代駅で奥羽本線の普通列車に乗り換えれば弘前まで行けるとのこと。
「そうか・・・普通列車か・・・」と一瞬考えこみましたが、何か特急走っていないかな、まだ大人の休日倶楽部パスの指定席の権利もう1回分あるから使いたいなと思い出し、ネットで調べてみたらあるではありませんか。
「スーパーつがる1号」という特急列車が!
スーパーつがるに希望を託すも…
急いでスマホからえきねっとで指定席を予約しましたよ。秋田から新青森まで余裕で空席がありました。秋田からの予約としましたが、このままリゾートしらかみに乗っていけば、実際は東能代からの乗車となる見込みです。
途中八郎潟駅で「つがる42号」とすれ違うため、乗り換えれば秋田でゆっくり時間を過ごしてスーパーつがるで弘前に行けると考えましたが、せっかくだからこのまま東能代まで行くことにしました。
「これで一安心。あとは東能代でゆっくり牛めしを食べようっと。」そんな気持ちでひとまず落ち着くことができたのです。
東能代駅で立ち尽くす・・・が、駅員さんの神対応が始まる
駅構内の様子と乗客たちの反応
11時45分に東能代に到着しました。五能線沿線に向かう予定だった乗客の皆さんは駅員さんの案内に従ってバスへと誘導されていきます。
残りの乗客には、「リゾートしらかみがこのまましばらく停まっているので車内でゆっくりお過ごしいただけます」と乗務員から案内があり、結構多くの乗客の方がボックス席で弁当を広げていましたよ。

私は一度東能代駅の改札を出て、駅構内に待合室がないか探してみました。しかし、どうやら駅の改装中で待合室は閉鎖になっていたのでした。
その代わりに、ホームの一角にリゾートしらかみのクマゲラ号の形をしたオブジェみたいなものがあり、そこが待合室になっているのでした。

私は牛めしをそこで食べて、のんびりと時間を過ごしました。せっかくなので、空いているリゾートしらかみのボックス席を見学したり、座席を眺めさせてもらいましたよ。

そうしている間に、普通列車弘前行きが12時46分に発車して行きます。この列車に乗れば、14時21分に弘前駅に到着する予定でしたが、私は見送りました。なぜなら、その次の13時32分発スーパーつがる1号に乗車するつもりだったからです。
しかしそれが裏目に出るとは予想もしませんでした・・・・・。
あと少しで発車時刻という13時25分頃、私はホームに移動し、スーパーつがるの到着を待っていました。
すると、そのときでした。
突然のアナウンスが流れ、「スーパーつがる1号は追分駅付近の大雨により運休となりました」との知らせが!!!!!
JR東日本による神対応の全貌
おそらく秋田駅はすでに出発していたのでしょう。途中の追分駅までそこで足止めになったでしょうか。そこだけ大雨が降っているなんて・・・。
まさか、あの普通列車を見送った直後にこんなことが起きるとは・・・。出発5分前のアナウンスなんて、ちょっと、なんと言ったらいいのか。
女性の駅員さんに詳しいことを聞いたのですが、すでに東能代駅付近の奥羽本線は上り下りとも運転を見合わせており、復旧の見通しも立っていないとのこと。
いつ出発するかわからない秋田行きの普通列車の車内でゆっくり待っていようとしている乗客の皆さんも大勢いました。
秋田方面に行くなら、このあとリゾートしらかみ2号(青森から秋田行)がかなり遅くなって東能代に到着するのでその乗客を秋田駅まで乗せていくバスが手配されているとのこと。それで秋田駅まで行ってどうなるかはわかりません。秋田新幹線が動いているのかどうか。
一方、下り方面の大館・弘前方面にはバスも列車も当面出ないという状況。
私はすっかり立ち尽くしてしまいました。本当にどうすればいいのか、途方に暮れたのです。
まさかのタクシー移動!新青森までの120km
そうしていると駅員さんの大きな声が駅舎の中に響きました。「奥羽本線下り方面に向かうお客様は駅舎内の改札前にお集まりください!」
その呼びかけに応じて、スーパーつがる1号やそのあとの普通列車に乗る予定だった乗客たちが集まってきました。人数はざっと15,6人ほどだったでしょうか。
駅員さんの案内と対応の素晴らしさ
「どちらの駅までのご予定ですか?」と駅員さんがひとりずつ確認を始めます。
行き先はさまざまでしたが、青森駅までという方が12人ほどと最も多く、ほかには大館まで1人、弘前まで1人、浪岡まで1人、そして私は新青森までと答えました。
そこで飛び出した、まさかの案内。「下り方面に向かうお客様にはタクシーで対応いたします」
私は一瞬、耳を疑いました。こんな経験は初めてです。
東能代駅から新青森駅まで、距離にして約120㎞もある道のり。それをタクシーで移動させてくれるなんて・・・。
駅員さんは「タクシーを手配しますので、しばらくこの場所でお待ちください」と丁寧に説明してくれました。しかもタクシー代はすべてJR東日本が負担してくれるとのこと。
てきぱきとした対応。混乱している乗客への配慮、その場を仕切る姿がとても頼もしく感じられました。この時ばかりは、駅員さんがまるで神様のように見えたものです。
その姿は、まさに“現場のプロフェッショナル”。
それでも内心では、「本当にタクシーが来るのだろうか」「無事に新青森までたどり着けるのだろうか」「予定している帰りの新幹線はやぶさに間に合うだろうか」と、不安な気持ちもありました。
けれど、もう待つしかありません。 私は静かにその時を待ちながら、心の中で「どうかうまくいきますように」と願っていたのでした。
予想外の旅路が教えてくれたこと
JRによる異例の対応で、私は東能代から新青森までタクシーで移動するという貴重な経験をすることに。予定外の展開にもかかわらず、旅は忘れられない思い出に変わったのです。
まとめ:鉄道旅に“もしも”はつきもの
今回の経験から学んだ備えと心構え
・早めの予約と代替案の準備が重要
・運休情報には常にアンテナを張る
・予期せぬ事態でも冷静に行動すること
旅のトラブルも物語になる
予定通りにいかないこともあるのが鉄道旅の醍醐味。トラブルすら物語に変わる──そんな一日を、私は体験しました。
ちょっと長くなりましたので、この続きは次回のお楽しみに。
次の記事はこちら

